2018年06月28日

認知症の人とその家族のためのカフェ

「そのときだけはシャンとしていて目の前にいる人が認知症とは思いもつかない。人ってほんとにすごいよね」
 Satoshiがほとほと感じ入ったように話します。カフェにやって来た若年性認知症の女性が、以前の仕事に関してまったく以前と同じように的確な反応や行動を表したそう。人の脳のなかはほんとうに不思議。わからないことがいっぱいです。 

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 典型的な仕事人間だったSatoshiは、リタイアしてからは心境に変化か、シニア大学の受講生となったことがきっかけとなり福祉に関するいろいろな活動に参加。ボランティアとしてサポートするようになりました。
 そのなかの1つが、いわゆる認知症カフェです。

 認知症カフェはもともとは厚生労働省によるオレンジプランのなかの1つで、認知症の人とその家族を地域で支えようとするもの。名称は違っていても日本の各地域で開設されています。港区の場合は、みんなとオレンジカフェ、といいます。

 このカフェでは、認知症の人や認知症では? と思われる人、その家族、認知症予防に関心のある人たちが集い、お茶を飲みながら、楽しくくつろいだ雰囲気のなかで歌を歌う、絵を描く、といったさまざまなプログラムを通じて交流したり、また専門医の講話を聞いたりします。相談員や看護師さんがいるので認知症の人をかかえる家族の相談にも乗ってくれます。参加費は200円です。

 港区のカフェは、麻布地区は有栖川公園の隣りにある、ありすいきいきプラザ、芝地区はみなと保健所など5か所で、月に1回ずつ開いていますが、人がたくさん集まるところと、午前中は1人も来ないところがあるそう。開設場所への来やすさなどが影響しているのかもしれません。

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 認知症カフェに行った日、帰ってきたSatoshiから聞く話はけっこう生々しく、夫婦や親子のありさまが胸を打ったり、人生についていろいろ考えさせられたりします。これから先のことを考えると誰もがこれは他人事とは言い切れないのですから。

 そういえば彼の話では、ある認知症専門のドクターの話によれば認知症予防にはイタリアやギリシャなど地中海沿岸でつくられている地中海料理がいちばん、とのこと。オリーブオイルやナッツ、野菜などをふんだんに使うところがよいそうです。それに少量の赤ワインも。
 おおっ! オリーブオイルや赤ワインはもともと好きですが、もっと好きになりそうです。

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posted by shebrokeherwrist at 13:06| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

55年来の親友

 梅雨の晴れ間となった週末。Satoshiとわたしは地下鉄麻布十番駅4番出口の横で、ジンバブエの作家によるという父と子の像を見るともなく見ながら人を待っています。
 6月21日は夏至、昼がもっとも長い日でした。そろそろ夕方の5時ですがあたりにはまだ明るい日差しがあります。日が長いとなんだか得をした気分です。

 すぐに彼の姿が見えました。Satoshiが15歳、高校1年のときからの親友、Sさん。東京近郊で在宅介護サービスの会社を運営しています。
 今年の初めに新年会をするつもりでしたが、わたしの両手首骨折騒ぎで延期に。そのため前回会ってからもう1年くらいたっています。彼は少し太って見えました。

 彼は去年2度脳梗塞で倒れています。
「お久しぶり。その後の体調はどうなの?」
「もうだいじょうぶだよ。ありがとう。そちらこそ、具合はどうですか?」
 そんな言葉を交わしながらぶらぶら歩き始め、パティオ通りからちょっと路地に入ったところにある居酒屋、山忠の暖簾をくぐります。

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 店には前日に予約を入れたのですがもういっぱいでした。そのため、めずらしくカウンター席に座ります。
 目の前に並んでいる大皿料理から、イワシの梅煮やツブ貝、カボチャの煮物などを選び、まずは生ビールで乾杯。焼き鳥などの肴を注文しながら、Satoshiたちは芋焼酎を1杯、2杯、3杯……。それほどいける口ではないわたしは梅サワーをちびちびと飲みます。

 そのあいだお互いの近況から体のことまで話はつきません。彼が倒れたときの話では、幸い手当てははやかったのですが、
「ちょっとね、いまでも言葉がはっきりしなかったり動きがぎこちないところがあるんだよ」
 でも、そう言われてみれば、ああ、と気がつく程度ですが。
 ちなみにSatoshiは当然彼の名前を親しみをこめて呼び捨てにしますが、わたしはいまも君づけで呼んでいます。それは彼がわたしの大学時代のクラブ仲間だから。彼はわたしにとっても古い友だちなのです。

 山忠を出たのは8時ごろですが、Sさんはまだちょっと飲み足りないようでした。そのままパティオ通りを横切って、ベジタブルカフェ&ベーカリーのイートモアグリーンズに入ります。
 テラス席に座り、男性2人はウイスキーの水割り、わたしはコーヒーをオーダーしてまた3人でまたとりとめのないおしゃべり。

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 ときおり、初夏のやわらかい風が吹き抜けます。向こうの路地から黒いサンドレスを着た若い女性が黒と灰色の2頭のトイプードルのリードを引っぱりながらやって来ます。
 さりげなく彼女や犬たちを目で追いながら彼らが楽しそうに話しています。
「気持ちいい風だね。これからの季節は絶対テラス席がいいね」
「そうだね。風が心地よいからね」
 やれやれ! 長い人生で泣き笑い辛酸をなめたこともある2人なのに、いっしょにいるとまるで高校生のころと同じくらい無邪気なんだから。
 
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posted by shebrokeherwrist at 20:36| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

週に2日のリハビリテーション

「あの日は僕は大学の図書館にいました。初めにけっこう大きく揺れましたよね」
 6月18日、月曜日。大阪でおきた地震の震度が7年前の東日本大震災のときの東京近辺の揺れ具合に比較的近かったので、当時を思い出しながら、若い理学療法士の I さんがまじめな表情で話します。

 7年前はSatoshiはまだ会社勤めでしたから、帰宅困難な状況になって日本橋から麻布十番まで歩いて帰ってきました。
 今回の大阪もそうですが、このところ日本の各地で地震が相次いでいます。
「突然やってくるので怖いですよね。被害に遭われた方はほんとうにお気の毒です……」

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 これは、この日リハビリを始める前の会話です。
 いつも5、6分くらいでしょうか。自分の体の調子や気になるところなどをSatoshiが話すのが主なのですが、その流れでいろいろなことも話題に上ります。だいたいは、Iさんがはまっているゲームやバブルサッカーなどのおもしろいスポーツ、スイーツの食べ歩きとか楽しい話ですが。

 Iさんが来てくれるようになってもう2年と8か月たちました。
 いまは月曜日と金曜日の週2回、それぞれ1時間ずつのスケジュールでSatoshiの体を見てくれています。
 リハビリは、たとえば脚が動きづらいときは筋肉をほぐしてうまく動けるようにする、といった、弱くなってしまった機能を回復し、維持していくためのもの。背中の手術後、脚などの機能回復をめざしてがんばってきたSatoshiにはいまも欠かせないトレーニングです。

 リハビリのあいだに聞くともなしに話し声や笑い声を聞きます。年齢はとても離れていますが、2人はわりに気が合うようです。
 ちなみに月曜日には30分ですが看護師さんも。体調などを継続的に見てくれていますからなにかと心丈夫です。

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 この日、リハビリが終わって I さんが帰ったあと、お天気はよくなかったのですが2人でオーストラリア大使館の方へぶらぶら散歩に出かけました。退院して間もないころいっしょに出かけたものの、上り坂がきつすぎてSatoshiは上がることができずギブアップしたところです。
 彼はいま、その坂をきついと言いながらもふつうに上がることができます。体は正直です。地道なリハビリの賜物でしょう。

 帰りに、休日には長い行列ができるダンボドーナツ&コーヒーに寄ってフランボワーズとトーステッドココナッツのドーナツを買いました。NYサイズというか、ふつうのドーナツの3個分くらいありそうな特大ドーナツ。食べるときは覚悟を決めてがぶり、といきます。

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posted by shebrokeherwrist at 21:07| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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