2018年05月22日

インプラントの話

 このごろはだいぶ前の生活に戻っていますが、2月、3月ごろは毎日がけっこうスリリング。
 あまり動いてないので体中がキシキシきしむようだったし、体重も落ちて外を歩いているとふわふわ漂っている感じ。風が吹いたらいっしょに飛んでいってまたすってんころりんと転びそうで……。ひやひや!  

 そんなときでもやむを得ない用事があれば出かけなくてはいけません。
 その出かけた先のひとつが歯科医院でした。わたしは一昨年の12月末から、左上の奥歯のインプラント(人口歯根)治療を続けていたのです。

 左上の奥歯の部分にインプラントを埋めこむためには上顎のホネに幅や高さなど一定の厚みが必要です。ところが、歯が抜けてなくなっているとその歯を支えていたホネはやせてしまいます。
 わたしの場合も、骨量が足りない、ということで異種骨の骨補填剤を用いホネを造成する手術をしました。

 ふつうは手術後4か月から9か月で必要なホネがつくられるそうですが、わたしはインプラントを埋入するまでに1年以上かかっています。その1年間は、術後のケア、関連する手術、引き続いてのケアをしながら、ひたすらホネができるのを待っていたのです。

「はい、だいじょうぶです。なんでも噛めますよ」
 と告げられたのは2月末。手術を担当していた先生がインプラントとホネの安定度を測定しましたが、そのときの数値はとてもよかったのでほっとしました。

 それから型取り、つくられた歯の装着、という流れ。歯を装着して治療がやっと一段落したのは今年の3月末でした。
 1月からあとのほうはわたしの手首骨折で日程が延びたこともありますが、じつに15か月間かかったことになります。

 昔から知っている院長先生に、わたしはインプラント治療の最長記録をつくったんですか? と尋ねたら、
「いや、そんなことはありませんよ。もっと長くかかった人もいます」
 と、笑いながら励まされましたが……。
 年齢やこれまでの食事の内容などをよく考えてみれば、わたしは1年半、2年、いえもっと前からホネの問題をかかえていたのかもしれません。

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 でもまあ、ホネを折ってホネ(歯)の治療を続けたおかげで今わたしは左側の歯でなんでも噛めます。麻布十番名物の老舗たぬき煎餅の手焼き煎餅もパリッ。かなり歯切れよくいけます。

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posted by shebrokeherwrist at 15:10| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

5月のバラ

「バラがいっぱい咲いていたよ。とてもきれいだった」
 朝はやくの散歩から帰ってきたSatoshiが楽しそうに話します。彼は約2年半前にリハビリテーション病院を退院してからずっと、体調維持とリハビリを兼ねていつも朝6時半ごろから1時間半ほどの散歩に出かけます。その散歩コースのひとつが芝公園。バラは、芝公園の緑のなかにあるタワーホテルの庭に咲いています。

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 バラの花は1年中見られますが、5月から6月、初夏のころは一季咲きの多くのバラが美しく開花します。Satoshiの言葉につられて、わたしも午後、芝公園にバラを見に行くことにしました。

 麻布十番(一の橋)から中の橋、赤羽橋方面に向かって歩きます。赤羽橋を渡って五差路に出ると目の前に東京タワーが見えます。東京タワーの右側が芝公園。公園に入って段を少し上がってすすむと手入れの行き届いた花壇と芝生の庭に出ます。

 ノーブルな白いバラ、華やかな赤やローズピンク、オレンジ色のバラが咲き誇っています。たっぷりした八重咲きのバラはほれぼれするほどゴージャスですてきですが、わたしは一重咲きの小輪も大好き。かわいらしさのなかにバラらしいりんとした品を感じます。

 バラといえば、以前はSatoshiもわたしも真っ赤なバラが好きでした。
 ところが3年半ほど前にSatoshiが肺がん治療のため入院中のこと。病院内で花を買うのは初めてでしたから知らなかったのですが、赤いバラがなかったのです。女性の店員さんの話では、場所柄、血を連想するような生々しい色の花はふさわしくないから、だそう。

 その日からわたしは、彼女にそのバラの名前を教えてもらいながらピンクのバラを買うようになりました。
 鮮やかなローズピンクのピンクダイヤモンド、グレーがかったピンクの花びらが繊細に波打つピンクフレンチレース、淡い中心部を濃いピンクの花びらが優美に包むタージマハル……。もともとバラの種類はとても多いのでピンクのバラもほんとうにいろいろあります。

 おかげでわたしはすっかりピンクのバラのファンに。Satoshiは予後にいろいろあったためそのときの入院はおよそ半年続きましたが、そのあいだ、花屋さんでのやりとりはほんとうに心和むものでした

 そんなことを思い出しながらバラに囲まれた道を歩いていきます。ちなみにSatoshiは今でも一押しは真紅のバラ。赤いバラは別格なのでしょう。

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 青空を背にした東京タワーが見えます。青々とした芝生の上では、ホテル客や遊びに来た人たちがシートを広げて思い思いの恰好でくつろいでいます。木陰がほとんどなくても外国の人たちはあまり気にしません。
 バラの木には元気そうな蕾がいっぱい。これから当分楽しめそうです。

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posted by shebrokeherwrist at 14:32| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八ヶ岳からの便り

 5月の初め、八ヶ岳のふもと、北杜市で暮らす友人のゆかさんから今年初めてのメールが届きました。

 彼女は緑豊かな自然のなかで小さなギャラリーを運営しています。今年で6年目。みずみずしい新緑や花々の便りとともに彼女のギャラリーのシーズンが始まります。5月の催しは、かわいい、繊細なタッチが女性の人気を集めるイラストレーターとジュエリークリエイターが共演します。

 ギャラリーは、オープンした年の初秋にSatoshiといっしょに訪ねたことがあります。
 もとは彼女の友だちの住んでいた家をアレンジした展示スペースは、白い室内に山麓のさわやかな空気が流れ自然の光がやわらかく差しこむ、一種ピュアな感じのする空間でした。素朴な自然に溶けこむ外観も一興ですし、美術品の展示の仕方にもさまざまなイメージが湧いてくる感じです。

 ゆかさんとわたしは昔の仕事仲間です。年齢は彼女の方が少し上ぐらいでしたが仕事の面でいえば大先輩。好奇心が旺盛で多感、きゃしゃな体のどこにそんなパワーがあるのか、と思わせる女性でした。

 東京生まれで赤坂に住んでいた彼女が八ヶ岳に引っ越したのは15、16年、いえ、もっと前だったかもしれません。久しぶりに会ったときに、ほとんど印象が変わってないことに驚くより、ああ、そうよね、と当たり前のように感じたことを覚えています。

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 メールに書いてありましたが、北杜市は住みたい田舎ナンバーワンに選ばれたとか。彼女は先見の明があったようです。
 スイセンが咲いて春の訪れを告げ、アジサイやスズランが咲く初夏から緑陰の夏をすぎて、秋へ。ギャラリーの催しの案内は毎月届きます。
 
 10月末、ギャラリーのすぐ上にある彼女の家の屋根にドングリの実がコロコロ落ちてくるころギャラリーはクローズします。
 でもそれはまだちょっと先のこと。それまでは、八ヶ岳の自然や催しの内容、ギャラリーの様子などを思い浮かべながら楽しくイメージをふくらませます。

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posted by shebrokeherwrist at 14:08| Comment(0) | 女性シニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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